【浅はかなる思考実験室】2.自動政府 ~コンピュータに政治ができるだろうか?~ 100の思考実験より

思考実験 自動政府

こんにちは、つぐっと(@tsugutto)です。

「100の思考実験」より、

100の思考実験
100の思考実験

2つめの問いです。

今回は、「自動政府」という題名の問いになります。

どんな内容になっているのでしょうか。

それでは、いってみましょう。

目次

「自動政府」~コンピュータに政治ができるだろうか?~ 概要」

景気がめざましく回復したのは、コンピュータが人間より効率的に経済を操れるようになったときだ。

ある国で、スーパーコンピュータが経済を運営しており、その間の経済成長は着実で、これまでの長期的な平均値を上回っている。物価の高騰も暴落もなく、失業率も低いままだ。
したがって、次期大統領に選ばれるのは、世論調査の結果も、あるコンピュータの名前を挙げていた。
もしくは、すべての決断をそのコンピュータにゆだねる、と約束した人物が選ばれるはずだ。
「ベンサム」と名付けられたそのコンピュータは、国民の総体的幸福に効果があるかないかにもとづいて、あらゆる政策を決定することができる。
これを支持する人たちは、事実上、政治の場に人間はいっさい必要なくなるうえ、コンピュータは性格上の欠陥も利害関係もないので 、ベンサムが政治を行えば政治家の質も大幅に向上するはずだ、と主張している。

「100の思考実験 2.自動政府」より抜粋

スーパーコンピュータに政治のすべてを任せれば、性格上の問題がなく、利害関係もないので、総合的にすべての人間が幸福になる判断をすることができるのではないだろうか?

という問題。

以前、スーパーコンピュータがチェスの王者に勝ったことがありましたね。

同様に、政治に特化したスーパーコンピュータを組めば、もはや人間の政治家は不要でしょうか。

考えてみましょう。

「自動政府」について思考する

結論から言いますと、すべてをコンピュータに任せることは「できない」と私は考えます。

コンピュータはあくまで、人間がプログラムするものです。

コンピュータがコンピュータをプログラムする機能があったとしても、

コンピュータがコンピュータをプログラムするようにプログラムしたのは人間になりますよね。

となると、どこまでいっても最初の1歩は人間が関わっていることになります。

人間が関わっている以上、性格上問題なく、利害関係もない…が成り立たないと思います。

あとは、単純に、すべての人間に対して、完全に平等なプログラムってできないですよね。

そもそも、平等がないと思いますし。

人間の心の内で何を思っているかは本人以外わかりませんから、

外からみたら平等でも、心の中では不満があったり…は往々にしてあると思います。

そこまで読み切って判断を下せるコンピュータって…ちょっと想像できないですね。

心を読むコンピュータ?または、心のあるコンピュータ?

心や感情があったら「性格的」に問題となる部分が出てしまいますよね。

客観的にとか、一般的に平等な判断をするコンピュータはできるかもしれませんが、それも、「客観的」や「一般的」とは何か、を決める際に「性格」や「利害関係」が少なからず絡みますよね。

あと、難しいと思うのが、現実でもそうだと思いますが「国民の総体的幸福に効果があるかないか」で判断される部分ですね。

99%の人によい政策で、1%の人にわるい政策の場合、99%側を選ぶってことですよね。

1%の人には申し訳ないけど、人間全体のために我慢してください…と。

これは、現実問題として、現状でも普通に行われている選択でしょう。

総体的に考えればこれで正解のはずです。

では、50%の人によい政策で、50%の人にわるい政策の場合は?

この場合はどちらを選ぶのでしょうか。

どちらが選ばれても半分の人が納得できない政策。

どちらが選ばれても素直に納得できなそうです。

どちらも選択されず、両方を包括した第3の選択肢でも出されるでしょうか。

政策ならまだしも、命に係わる判断であったらどうなるでしょうか。

人類が絶滅するほどの病気が流行りました。

薬はどうあがいても人類の1%の人数分しかありません。

その時、コンピュータはどう判断するんですかね。

総体的に考えれば、全員平等に絶滅するべきだ…となるのでしょうか。

そして、その結果を素直に受け入れられるでしょうか。

または、コンピュータが故障した場合はどうなるでしょうか。

コンピュータに判断を任せることに慣れ切った人間に、コンピュータの故障を判断することができるでしょうか。

人間が作り出したコンピュータのはずが、人間の上の存在になる。

そして、そのコンピュータの判断を疑うことが出来なくなる。

もはや、コンピュータに支配された状態の人間。

それは、はたして人間と呼べるのでしょうか。

なんてことを考えると、性格的に問題があったり、利害関係があったりしても、1つのコンピュータにすべての判断を委ねるのは「できない」のではないでしょうか。

でもでも?

現状の政治を複数の人たちで動かしているのと同様、答えの導き出し方が違ういくつかのコンピュータを併用した場合は?

そして、それらのコンピュータが一致した答えを出した政策のみを実行することに限定したら?

それならば、性格的にも、利害関係的にも平等な政治運営がされるかもしれませんね。

となると、「自動政府」の可能性もあるのでは?

よって、問題文の条件での「自動政府」は「できない」と考えますが、色々と条件を加えていけば「できる」かもしれない、と思いました。

思いましたが、その条件を加えること…が利害関係をともないますから、やはり「できない」ですよね。

よって、やはり「自動政府」は「できない」と考えます。

でも、すべての判断を任せるのではなく、過去の出来事や統計をもとに導き出された政策を参考にすることができれば、問題文の通り政治の質は大幅に向上しそうですよね。

「自動政府」についての思考、いかがだったでしょうか。

結構、堂々巡りの考えを繰り返してしまいました。

あなたはどんなことを考えましたか?

機会がありましたら3つ目の問いでお会いしましょう。

それでは、また。

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